そこは雪の止むことのない純白の街。 ようやく辿り着いた安息の地に、無数のきらめきが舞い降りる…
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今夜月の輝く丘に
2007-09-26 Wed 08:30

――プシュッ!

勇気:
…………ぷはぁーーーっ!!
やっぱ湯上りのジンジャーエールは最高だな


究極にオヤジっぽい発言をしながら、歓喜に打ち震える勇気。

その姿に気付いた優希が振り返りながら言った。

優希:
あ、勇気ぃ~
ちょっとこっちに来れる?


勇気:
ん、どうした姉貴


呼ばれた方へ歩を進めると、それにあわせるように優希も小走りでとある所に向かって行った。



勇気:
…なあ姉貴、ひとつ聞いていいか?


優希:
ほぇ?なぁに??


勇気:
……これは、何だ?


勇気がゲンナリ顔で指差す先には、花瓶に挿してある竹笹と真っ白なおにぎりという妙な組み合わせが置いてあった。

優希:
え…?
だって今日はお月見でしょ?
だからそのセットを作ったんだけど…


勇気は頭を抱えながら呟くように言った。

勇気:
ここまで天然だと、ツッコむ気も起きねぇ…


優希:
ほぇ?


勇気:
まあいいや、後は俺がやるから姉貴はそっちの部屋で待っててくれ


優希:
うん、わかったよぉ~


右手を真っ直ぐに挙げて笑顔で答える優希を見送って、勇気は珍妙なセットを片付け始めるのだった。
 
 
 
数分後。

勇気:
ほい、お待たせ


優希:
わぁぁ…すごいねぇ


勇気が持ってきたのは、先程の花瓶にススキの穂花を挿し直したものと、おにぎりを潰し捏ねて団子にしたものだった。

ちなみに「雪の舞い降る街」ではススキは育たないので、いわゆる平野部の都市から持ち込んだものである。

勇気:
まあ、これくらい出来て当然だろ


優希:
うぅ…どうせ私は何も出来てないもん…


頬を膨らませて、でも俯きながら言う優希の頭をそっと撫でながら勇気が言う。

勇気:
じきに出来るようになるさ
まあそんな事より、上を見てみろよ


優希:
…うん


促されて夜空を仰ぎ見る優希。

すると、

優希:
ふわぁぁ…綺麗ぃ…


南向きの部屋の窓から、凍えた夜空に映える青白い輝きを湛えた満月がぽっかりと浮かんでいるのが見えた。

勇気:
まさに"中秋の名月"だな


優希:
そうだねぇ…


その後、二人の間に言葉はなかった。

ただ、南中を迎えた丸い輝きを眺めていた。
 
 
 
二人の間に会話が戻ったのは、それから1時間ほど経った頃だった。

優希:
…っくしゅんっ!


勇気:
姉貴、冷えたか?


優希:
うん、そうかも……へくちゅっ!


勇気は寒がる優希に自分の羽織物を被せて言った。

勇気:
まあ…寝るか…


優希:
そ、そうだね…


二人は寝室に移動するなりすぐにベッドに入る。

そして、

勇気:
おやすみ、姉貴


優希:
おやすみぃ…


温かい布団に包まれて眠りにつくのだった。
 
 
 
その夜、窓から差し込む月明かりと、よほど寒かったのかくっついて離れない優希のせいで、勇気がほとんど寝れなかった事を書き残しておく事にする。

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