そこは雪の止むことのない純白の街。 ようやく辿り着いた安息の地に、無数のきらめきが舞い降りる…
ROサイトマスコット
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告 | top↑
光の導く先、風の辿り着く場所 Final
2007-11-13 Tue 01:39

優希の思いも、友野の思いも、同じだった。

『勇気、無事で居てね』

切なる願いを乗せて、車は急な下り勾配をまさに転げ落ちるように下っていった。



友野:
よし、着いたぞ


赤城高原サービスエリアに飛び込んだ車から、跳ねるように飛び出していく二人。

友野:
僕はトイレを見てくるから、優希ちゃんはあっちの散策路を頼む!


優希:
わかりましたっ


友野と別れ、一人散策路に分け入っていく。

優希:
勇気ぃー!どこに居るのーー!?


懸命に声を掛け、木々の隙間から草の合間まで丹念に見て回る。

そんな所に居るはずが無い、本当はそう思っている。

だが最悪の事態が常に頭をよぎるこの状況下で、外す事は出来なかったのだ。

しかし30分に及ぶ懸命な捜索も実らず、ついに勇気の姿を捉える事は出来なかった。

優希:
勇気…どこにいるの…


すっかり意気消沈し、ベンチに座り込む優希。

その時、

友野:
優希ちゃん!


背後から友野の声が掛かる。

優希:
友野さんっ…そちらはどうでしたか…?!


友野:
ん~~~…かなり細かく見て回ったんだけど手がかりすらないよ…


優希:
そ、そんな…


友野:
あと探していないといえば…


友野が見遣る方を優希も見る。

視線の先にあるのは、レストランを併設した売店とスナックコーナーの建物だった。

他の客も居る事を考慮して、極力平静を装いつつ入る。

そしてわき目も振らず、サービスカウンターに向かった。

友野:
すみません、あの…


優希:
こんな男の子見ませんでしたか?!


友野のセリフに割り込みながら、双子の写っている写真を見せる。

すると、壮年の女性従業員が迷う事無くある一角を指差しながら言った。

女性従業員:
あそこんとこ居るでねぇか


その先には、スナックコーナーのテーブルでのん気にラーメンをすする勇気の姿があった。

途端に、糸の切れた人形のように座り込む優希。

友野:
ちょっ…おばちゃん、この子頼みますっ


そう言い残して友野は勇気のそばに駆け寄った。
 
 
 
友野:
勇気君!


勇気:
んぁ?あれ、友野さん…こんな所で奇遇ですね


友野:
奇遇って…まさか…?!


息巻く友野の様子に、怪訝そうな顔をする勇気。

勇気:
まさかとは思いますけど…姉貴もここに…?


友野:
もちろんだよっ!君を追って来たんだから!


悲鳴に近い声で捲くし立てる友野に、勇気は大きくため息をつきながら言った。

勇気:
前から出かけるって言っておいたのに…まったく…


友野:
…………え?


勇気:
だーかーらー、オレは一昨日から友達と一緒にトレッキングに来てるんですってば
丁度今日帰る所だったんですけど


友野:
それは…本当なのかい…?


男の子:
それは俺たちが保証するッス!
そこに居る俺のオヤジがペンションを経営してるから、宣伝も兼ねて連れてきたんスよ!


友野:
…そ、そうか


証人もいる状況ではこれ以上問い詰める事も出来ず、言葉を濁すしかなかった。

友野:
(だが…そうだとしたら何であんな脅迫文が…ましてやあんなクイズバトルなんて…)


疑問は尽きる事がなかった。

そこへ、

優希:
勇気…


勇気:
あ、姉貴…


摘んでいたメンマを思わず取りこぼすほど、勇気は動揺を隠さなかった。

もちろん、優希の涙のせいだ。

優希:
心配…したんだからね…


それ以上何も言う事なく、ただ勇気を抱きしめる。

ややあって、勇気は抱きしめ返して答えた。

勇気:
……オレこそ、ごめん
ちゃんと姉貴に言ってから出ればよかったな


優希:
もういいの…
勇気がここにいるから…


感動的なシーンを演じる双子の外で、

友野:
まぁ何はともあれ、これで一件落着かな~


男の子:
良く分からないッスけど、丸く収まって良かったッス!


納得しあう外野一同であった。

こうして、一行は勇気を友野の車に乗せて帰宅の途についたのだった。
 
 
 
 
 
ちなみに…

友野:
はいぃ?!
な、何ですかこの料金は?!


係員:
そりゃーお前ぇさん、こんな長い時間高速居たんだぁ、それくれーになんべぇ?


友野:
はぁぁぁ…まあ、気付かなかった僕も僕だよな…


高速道路滞在43時間というところを突かれ、しっかりと追徴料金を取られる羽目になってしまったのであった。

スポンサーサイト
別窓 | 双子のこと | コメント:0 | top↑
<<光の導く先、風の辿り着く場所 4 | 雪の舞い降る街 | なぞの画用紙 その2>>
この記事のコメント
top↑
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

| 雪の舞い降る街 |
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。